Wednesday 10 October 2012

【知識は力です】米大統領選に見るアメリカの教育業界 (その5)

ああ、知識が乏しいため、レポート訳すのになかなか


苦労しているアメリカの教育政策。


よーし、今日も分からないなりにがんばってお伝え


しますぞ。(・ω・)/



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2012年2月、オバマ大統領の連邦予算では、


「Opportunity Scholarship Progman(機会提供奨学金プログラム)」


への補助金が2013年までカットされました。


その理由は、2012年度分の予算で、2年間まかなうのに


十分な資金があるから、というものです。



このプログラムへの今後の補助が出るのかどうかは、


まだ未定です。


このプログラムでは、低所得層の生徒にはバウチャー


が配布され、行きたい学校へ(私立でも)通えます。


追加の補助金なしでは、環境に恵まれない子供は


通う学校のレベルが低い場合はそこから抜け出せず、


苦しむことになります。


公立学校では、2012年度の歳入が合計6281億ドル


ですが、この歳入の90%は連邦政府からの


補助金からきています。


2007年から2012年の成長率は年平均0.9%で、


公立学校の成長はとても緩やかなものなので、


公立校から政府の補助金を取りあげてしまうと、


資金を賄いきれず、業界に悪影響が出る恐れがあります。



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ロムニー氏は教育バウチャー問題に異なるスタンスを


とり、市場主義のような競争原理を主張します。


連邦政府が私立、公立を問わず任意の認定校に


資金を提供することを可能にし、生徒の成績によって


行きたい学校を選べるようにすることで、生徒と


成果の出ない学校両方に改善効果がでるようにするのです。


ロムニー氏のバウチャープログラムは、2002年にジョージ


ブッシュが提唱した「No Child Left Behind(落ちこぼれは


出しません)」の法案を置き換えようとしています。
(この法案ではダメな学校には、特定の改善指導を施します)


そうではなくて、ロムニー流バウチャーシステムは、生徒の


成績によって、私立公立の区別なく行きたい学校を


選べるよう学校レベルの査定をします。


自分のレベルにあった学校へ行けるようにするのです。


私立の小学校は政府から補助金を受けていないので、
(親からの授業料で賄います)


このプログラムによって私立の学校も別途歳入を


得ることができるよ、と提案しています。
(とても私立寄りの案ですな。どこでも好きな学校
 行けるって、何だか日本の塾みたい・・・)


2012年の私立校の収益は766億ドルで、2007年から


年平均0.1%という超ゆったりペースで成長しています。


生徒を学校間で自由に転向できるように政府から


新たな資金を受けられるようになれば、私立校の


リスクは低下します。


なぜなら、今まで政府から補助金を受けて守られていた


公立校も、私立と同じ土俵で競争することになり、


そして政府の補助金対象に私立が加わる分、


公立校への補助金が減るからです。


公立校にとってみれば、リスクは増え、歳入も減り、


成果が出ないと学校閉鎖もあり得ることから、


今後2年間の公立校の成長はさらに鈍化するでしょう。



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教育産業の運命は、11月の大統領選にかかっています。


オバマ大統領が2期目に再選すれば、公立校、短大、


大学、その他高等教育機関は過去5年間そうであったように、


引き続き連邦政府からの補助を受けることができます。


私立校は今のまま、収益は授業料からまかなうことに


なります。


もしロムニー氏がオバマ氏を破ってホワイトハウス入り


することになれば、公立校、私立校両方にとって、


状況はかなり変わります。


私立校は追加の収益源を得ることになり、教育レベルは


上がるでしょう。


一方、成果の出ない公立校は、生徒も補助金も失うことに


なるでしょう。


ロムニー氏の下では、大学も政府補助を失い、民間


貸付機関が学費ローンを担います。


高等教育産業、初等教育産業、民間貸付産業を合計した


2012年度の収益は6.6兆ドル以上になりますが、これら


産業はすべて選挙の結果如何で変化を求められるかも


しれないのです。



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お疲れさまでした、レポートはこれでおしまいです。


追加で気付いたことを書きたいのですが、


もう気力が残ってないので、また明日改めて書きますね。


では、お休みなさい~。星

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