Thursday 26 January 2012

J. Edger(観後感)

FBI初代長官であった「J. Edger」の映画、

見てきたのですが、

クリント・イーストウッド監督、期待を裏切り過ぎ!

なんと、エドガーと補佐官クライドの

ゲイ映画仕立てであった!

それ自体は、私は抵抗ないのですが。

今年は、年明けに見た「シャーロック・ホームズ」

といい、この映画といい、

同性愛解禁、

の年になるのでしょうか。
(今でもなってるけど)



期待していたディカプリオの演技は

イマイチでございました。

彼は、発音や話し方が官僚タイプに

そぐわしくなく、重厚感や威厳を表現する

までに至ってない感がありました。
(年を取った演技でも、若いころと同じ
 溌剌と切れのある話し方をされると
 かなり違和感が・・・)

エドガーの片腕クライド・トルソンを演じた

アーミー・ハマーの方が、老年の悲哀と

権力に固執することを潔しとしないある種の

諦めをひしひしと感じさせ、老後の部分、好演でした。

作品自体については、夫サリーちゃんは、

「ポイントが良く分からない映画だった。

 ちょっとがっかりだ」

と申しておりましたが。

が、それに目をつぶれば、考えさせられることが

ポツポツとある映画でした。


哀しいな、と思うのは、

エドガーが、信頼できる人間が極端に少ないこと。

これは、権力闘争に明け暮れる人間であれば、

官僚であれ、一般企業であれ、似たような部分が

ある、と個人的にも思うのですが、おそらく

彼が信頼できたのは、母(マザコンだと思います)、

ゲイの補佐官クライド、そして秘書のヘレン、

生涯この3人だけ。しかも、母を除けば、

誰も結婚をしていない、というかなり特殊な

取り巻き。

人間関係は量より質だ、と個人的には思いますが、

権力と引き換えに(しかもFBI長官という特殊な権力)、

気の置けない友人や同僚に恵まれる境遇、

といったものからは遠ざかってしまった、

光と影がはっきりと分かる人生です。

ちなみに、これからの時代は、権力闘争などという

競争スタイルは、すたれていくと思いますよ。

人も社会も国家も、そんなことを続けていたら

疲弊してしまうからです。

戦いは、スポーツの世界だけで十分です。

スポーツはまだルールがきちんと確立された

中での競争なのでいいのですが、ルールや

節度のない競争は、結局自滅につながりそうな

気がします。

受験戦争、出世競争、国家間の成長競争、

未来永劫、こんなことは続けたくないと

内心思っているのが実情ではないかなあ

と思うのですが。
(競争がなければ刺激が足りない、という人も
 もちろんいるでしょうが)

ピラミッド型に頂点を目指す社会構造ではなく、

どこが上なのか下なのか気にする必要がない

円環、循環社会になっていくのが自然な流れの

ように思います。日本はかつて、こういう社会、

実現していたのではなかったでしょうか?

別に欧米型の競争社会を持ちこまなくても、

江戸時代には、識字率、教育の普及率、

世界でもトップでしたし(寺子屋のおかげ?)

基本的学力、そして道徳観もたぶん今よりは

備わっていた、かもしれません。
(当時に生きていないので分かりません。
 あくまで想像)

これらは競争の賜物ではありません。

おそらく日本では、他人との競争、というよりも、

自分を律する、自己と向き合う切磋琢磨型、

だっただろうと思うのです。

勉強やより良い仕事をする目的が、他人に

勝つため、ではあまりにも狭いですし、情けない、

世の中のためにもならない。

自己成長のため、あとどうせやるなら

他人や社会に貢献するため、の方が

理にかなっています。

エドガーを見ていても分かるように、

周りから疎まれるような他人との闘争に勝ち、

権力で身を固めても、益々周りとの確執を深めて、

さらなる闘争にはまっていくだけです。

とてもエネルギーを使う、疲れる人生です。


あと、この映画は、「老い」というのをとても

リアルにつきつける作品でした。

監督のイーストウッドも、もう老齢ですし、自分と

重ね合わせるところも多かったのかなあ。

老いたら後は死ぬのを待つだけなので。

いろんなものを脱ぎ捨てて、どんどん身軽に

なっていくべきところを、今までの権力に

固執しようとする、反対を行くエドガー。

日本の政治家、官僚、一部企業のトップを

連想させます。

私個人のことで恐縮ですが、日本を出てから、

いろんなことを「死」という基点から考える

ようになりました。

死んだときに、どうありたいかな、というのを

基準に考えざるを得ない状況になったからです。

まず考えたのがお葬式の事。

もし私が死ねば、お葬式は日本ではできません。

夫サリーちゃんに負担がかからないように、

そしてお墓などの心配もいらないように、火葬して

骨は海に散骨してくれ、と伝えてありますし、

子供もどうするのか、作るのか作らないのか、

今は、サリーちゃんの妹、姪っ子を大学卒業

まで支援することになっているので、自分たちの

子供のことまで考えられませんが、例えば

子供が欲しいと思った場合、私が死ねばおいそれと

姉や両親のところで引き取ってもらう、という

わけにはいかないでしょう、国も違いますし。

サリーちゃんの家族親戚もトルコなので、

互いの家族親戚に面倒を見てもらうのは

実質無理。

父子家庭でサリーちゃんが育てられるかな?

ならば、成人するまで面倒を見る、という形で

孤児院などから両親のいない子供を預かる、

という選択肢もありかも?いざ途中で私やサリーちゃんに

何かあっても、孤児院に戻れる、他の家族の養子に

なれる、という可能性があるからです。

余談ですが、ちゃんと遺書も作っています。

オーストラリアで犯罪に巻き込まれるかも

しれませんし、日本帰省時にも、何が

あるか分からないからです。

地震や津波に巻き込まれない保証はありません。

特に、今週、首都圏でM7程度の地震が4年

以内に発生する確率は70%、というニュースを

読みましたし・・・


書いてて思いましたが、すごい守り姿勢な

考え方。

本来、私は人生攻めで、新規挑戦の精神で

やっていきたい、と思って生きてきたので、

こういうのはあんまり得意ではないのですが、

ちょっと方向転換せざるを得ないようです。


映画に戻って、「J. Edger」、絶対おススメとは

言いきれませんが、なかなか感じるものがある

映画です。ディカプリオやイーストウッド監督が

好きな方はぜひ!

では、私は明日泊まりに来るエアカンさん一家の

ために、食事の食材調達や、ベッドの準備などを

してきまーす。(*^o^*)/~

皆さんも、よい週末を~。

こちらはここ一週間、40度の
灼熱地獄になりそうです。
日本は寒さが厳しいのかな?
風邪に気をつけて!
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