Sunday 22 January 2012

小売業の未来(7)

さて、小売業の未来も、今回で7回目。

でもね、まだ半分の30/60ページ分しか

進んでいないのです。

どれだけ続くのでしょうか。ああ、恐ろしや。

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前回は、広告は不特定多数に向けてではなく、

その近隣に住んでいて本当に必要とする

対象に向けて発信しましょう、という地域に

密着したセールやオファーをご紹介しました。

ここで、おさらい。まず、大きなマクロ的視点が

3つ。

1.オンラインで誘導し、オフラインで体験させる

2.消費者ノウハウ

3.小売業界地図の再編

今は2番目、「消費者ノウハウ」

の所にいますよ。

そして、今回は、その中のミクロ的視点、

「ソーシャル通貨」に進みましょうね。

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まずは業界内部者からの言葉。

日本でもおなじみ、スターバックスでは

どのように言っているでしょうか。

「景気後退によって、このような現象が起きている。

 それは、

 購買能力=購買意欲

 つまり、たいして買いたくもないけど、お金が

 あるので買っちゃう、ではなく、

 欲しくてたまらないが買うお金がない、でもなく、

 自分の財政状況の範囲内で、本当に買いたい

 ものしか買わないようになってきている。

 消費者は、分をわきまえた買い物をするように

 なってきているのだ。とは言え、やはり自分の

 支払うお金で失敗はしたくない。

 そこで、口コミやソーシャルメディア内での評価

 を参考にする。製造業のマーケティングにおいて、

 この口コミ、ソーシャルメディアの影響力は

 見過ごせない必須要素になるだろう。」

私個人的には、

「購買能力=購買意欲」

というところが気になりました。

日本では、親世代の時のような、誰もかれもが

マイホームと車はローンを負ってでも欲しい、

といった部分、

今の若い世代には、あまり見られませんよね?

社会が煽る流行や常識に乗って消費行動を

取るのではなく、現在はメディアも多様化して、

趣味も思考も人それぞれ、本当に自分が欲しい

と思うものを買う。買えないのであったら、

ローンしてまで買わない。家も賃貸でいい。

おそらくこういう流れになってきているのでは?

さて、話を戻して、業界の事例をご紹介

しますね。

まずは、「Palms Hotel and Casino Las Vegas」

私はギャンブルにはあまり興味がないので、

旅行してまで行こうとは思わないのですが、

行った人の話を聞くと、ずいぶん楽しいらしい

ですね (・∀・) (夫サリーちゃんもその一人)。

こちらのホテルでは、滞在客がソーシャルメディアで

このホテルのことを書いてあげると、その影響力

によって、特別待遇をしてもらえるそうです。

ん?でもね、これ、思いっきり有名人優遇に

なりませんか?

数万のフォロワーを抱える女優や歌手、例えば

レディー・ガガみたいな人が一言つぶやいただけで、

ものすごい影響力があるでしょう。もうそれだけで

宿泊代もギャンブル代もタダ!くらいの勢いに

ならないでしょうか。

一般人だと、最近では一般の方でも何百人

もの友達がFacebookにいたり、Twitterのフォローが

たくさんいる方もいるのでしょうが、特別待遇して

もらえるほどの影響を及ぼすかどうかは疑問・・・。

でも、ソーシャルメディアの影響をお金と等価と

みなしたという点では、さすがカジノの戦略です。

もうひとつの例に行ってみましょうか。

あるオンラインショップでは、自分のソーシャル

メディア上で本や音楽を取りあげてシェア

すると、商品がただになる、つまり

支払いはお金ではなくて、口コミで、という

おもしろい形態をとっています。

こんなのを見てしまうと、だんだん

「お金ってなんだろうな」と素朴な疑問が

湧いてきます。

「お金」=「唯一無二の絶対の価値」

ではだんだんなくなっていくのでしょうね。

それでなくても今はユーロやドルの信用が

揺らいでいる時期ですし、お金だけではない、

信用や影響度といったものも実質的な

価値を持つようになる、多様価値の世の中

に変遷していくかもしれません。

では、業界内部者から、参考になりそうな

アドバイスを2つほど。

「500Friends」社の共同創業者、

Justin Yoshimuraさんから。
(日系アメリカ人の方でしょうね)

「小売業者は、影響力があってなおかつ

 ソーシャルメディア上で活動が活発な人

 たちを中心に、そのブランドや商品を愛する

 コミュニティを展開することができる。

 小売業の人に間違えて欲しくないのは、
 
 以下の点。

 ソーシャルメディアを、小売業者自体が

 その中に入っていって商品やお得情報を

 流し、売り込もうとすると失敗します。

 そうではなく、その場は愛用者たちに

 コミュニティ内で自由に話させ、

 商品の宣伝やお得情報を彼らの口から

 流させる、という風にした方がよいのです」

広告や宣伝の仕方も変わりましたね。

従来だったら、お店が前面に出て、

「これがお買い得!」とか

「おススメはこれ!!」とか言っていた

訳ですが、所詮はお店視点。本当にお客の

ことを考えて言っているかどうかは分からない

わけです。

ですが、その商品のファンや愛用者が、

「この商品のここが気に入っています♪」とか、

「こんな効果が出ました(*^▽^*)」

などというコメントだったら、なんとなく何が

いいのか、どこが気に入って使っているのか、

具体的に分かります。自分と同じ、消費者目線

でのコメントなので、共感できるし、信用度も

増します。

あ、これって、芸能人や役者さんも同じでしょうか。

本人が

「私ってこんなにきれいでしょ」とか

「僕の演技はハリウッドでも通用する」

なんて言ったら、興ざめですわね。。。

ファンがキャーキャー騒ぐのを尻目に、

浮かれず騒がず、静かに微笑んでいる、

くらいで丁度よく、人気上昇への階段は、

ファンやマスコミに任せましょう、的な

第三者を使ったマーケティングがちょうどいい

心地よさなのかもしれません。

製品や商品の良さは、本人ではなく、

第三者に語らせる、ここ、ポイントかも

しれません。

欧米では、就職、転職するときに、本人の

履歴書だけではなく、同僚や上司の推薦状

が2、3通必要になるのですが、これも同じ

原理ですね、きっと。本人がいくら

「私は仕事ができるんです」

と熱く語ったところで、一緒に働いてきた人が

「こいつは使いものにならん」

とか

「数字に関することになると、途端にミスを

連発する」

という評価だったら、面接者はどちらを信用

するか、言わずもがな、です。
(でも、これ、上司が意地悪してわざと推薦状を
 書いてくれなかったり、辛辣なコメントを
 書いてよこす、というパターンもあり得ますが)

ちなみに、このアドバイスをくれたYoshimuraさんの

会社、「500Friends」ですが、HPを見てみると、

かなりおもしろいです。マーケティング手法が。

会社のサイトはこちら

例えば、「Royalty Marketing」というのがあります。

これ、以下のキーワードいかに途切れさせずに

循環させて顧客数とそのリピート率を上げていくか、

というものです。

Shop(買う)

Review(評価やレヴューを書く)
 
Reccomend(おススメする)

Connect(ソーシャルメディアで繋がる)

Create(?創り出す??←お店側の視点かな?
     私は顧客がお得意客であり続けることの
     意義を見出すような関係性を創り出す、
     という意味に取ったのですが。
     ポイント付与や特典割引をしたり、など。
     深読みし過ぎ?)

Share(シェアする)



順番は前後するのかもしれませんが、

これらを地道に繰り返していくことで、

雪だるま式に顧客とそのリピート率が

増えていく、という算段に基づいた

マーケティングなのでしょうね。

宣伝は顧客にさせる時代になって

きたのでしょうか。

ということは、結構恐ろしい時代でも

あります。商品に嘘がつけませんから。

ついたとしても、あっという間にばれて、

淘汰される。世の中的には良いことなのでしょうが、

あくどい商売はできませんね。

こういうマーケティングの流れ、おそらく

止めることはできないでしょうから、

「信用」という部分、大事になってくるかも

しれません。

「信用に足る商品」

「信頼できるサービス、アフターケア」

一発屋で終わるのではなく、

リピートさせ、なおかつ顧客の輪を広げて

行くには、「この人ならついていっても大丈夫。

家族や友人に紹介しても恥ずかしくない」という、

なんだか彼氏や彼女、結婚相手を選ぶ時の基準

みたいですが、そういう要素も重要視されて

いくのかなあ、という気がします。

さて、もうひとつ、違う会社からのアドバイスも

あったのですが、似たりよったりの、

ソーシャルメディアで口コミしてくれた人には

ご褒美をあげましょうね、というものなので、

割愛しますね。


TwitterやFacebook、ブログなどのソーシャル

メディアでの人気度や友達の多さが、今後

なんらかの影響力を持つのかもしれませんが、

私個人は、あまりそっち方面、興味が

持てずじまいです。

TwitterもFacebookもアカウントを作ったきり、

ほとんど更新をしていない。。。ヽ(;´Д`)ノ

ブログもやっとこさ自分に鞭打って書いている

始末(日本語を使う、唯一の場所ですので、練習練習)。

それに、実生活でもそうですが、友達を

何百人も欲しいとは思わないのです。

そんな人数と関係性を保つのは至難の

技ですし、量より質にこだわりたいなあ、

と思うのです。

なんだか記事と相反することを書いちゃいましたが、

これは個人的私感、ということでお許しを。


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今回は、ここまでです。

次回は、

マクロ視点 『2.消費者ノウハウ』

の中から2番目のミクロ視点、

『お店に置いてる商品を知りたい!』

に行きますね。

お楽しみに!(*^o^*)/~



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